更新日:2026/2/18
お客様の相談を受ける中で「亡くなってしまうと銀行の預金が引き出せなくなってしまう」という話を時々聞きます。
この「亡くなると(死亡すると)銀行口座は凍結される」という説について、実際のところはどうなのか?、なぜそのような説があるのか?、これは都市伝説なのか?(笑)について解説していきたいと思います。
亡くなると(死亡すると)銀行口座は凍結される?
まずは「実際のところはどうなのか?」について見ていきたいと思います。
銀行は口座名義人が亡くなった(死亡した)ことを把握すると、財産を保全するために、その口座を凍結します。
これだけ見ると「あーー、やっぱり凍結されるのね」と感じるかもしれません。
しかし、重要なのは「口座名義人が亡くなった(死亡した)ことを把握すると....」の部分です。
銀行は口座名義人が亡くなったことを把握できるんでしょうか?
「市役所から連絡がいくのでは?」という方もいますが、そのような仕組みはありません。(←これこそ都市伝説です(笑))
生命保険会社のように、定期的に口座名義人の生存確認をしているような銀行もほとんどないでしょう
「金融機関の間で亡くなった情報が共有されているのでは?」という想像もあるかもしれませんが、そのようなシステムもありません。(←これも都市伝説です(笑))
あるとしたら、銀行が新しい商品やサービスを開発した際に、顧客向けに営業の電話をすることがあり、その際に把握することができるかもしれません。
偶然把握できるとしたら、それくらいでしょうか?
実際には、亡くなったら新聞に載るような著名人などでなければ、銀行が亡くなったことを把握することはなかなかありません。
銀行が口座名義人が亡くなったことを把握することはなかなかないわけですから、こちらから亡くなったことを伝えない限り、口座が凍結されることもなかなかないことになります。
やはり都市伝説なのか?
そうなると、「亡くなると(死亡すると)銀行口座は凍結される」はなんの根拠もない都市伝説なのか?、ということになります。
これは私の私見ではありますが、少し歴史を遡ってみる必要があると思います。
もう半世紀も前の話になりますが、まだインターネットもなく、ATMすらなかった昭和の中頃までは、現金の受け渡しによるやりとりが中心であり、銀行には預金獲得(集金)のための外回りの営業がいっぱいいました。
今では想像しづらいですが、当時は銀行の外回りの営業が各家庭を回って預金を集める(集金する)ような仕事をしていました。
各家庭を訪問して、コミュニケーションを図り、信頼を得て預金を獲得していくようなスタイルです。
各営業は特定の地域を担当し、まさしく「足で稼ぐ」時代です。
当然、時代背景もあり、住民側にも地域意識があり、ご近所との付き合いや関係も現在よりは深いものがあったと思われます。
そうなんです、もうお気づきかと思いますが、昔はこの地域密着の外回りの営業が各家庭やご近所を回ることによって、「口座名義人が亡くなった(死亡した)ことを把握する」ことが自然とできていたのではないかと思います。
そういう意味では「亡くなると(死亡すると)銀行口座は凍結される」という説はちゃんとした歴史背景があり、根拠のない噂レベルの都市伝説ではないように思います。
凍結されていなければ、自由に引き出していいのか?
少し回り道をしてしまいましたが、結論としては「亡くなったからといって口座が凍結されることはなかなかない」ということです。
そうなると、「じゃあ、キャッシュカードがあって、パスワードがわかっていれば、自由に引き出してもいいの?」という話になります。
答えは「No」です。
自由に引き出してはいけません。
亡くなった人の銀行預金は相続財産であり、相続人の共有財産です。
そのため、相続人で話し合って(遺産分割協議)、その銀行預金をどうするのか?、誰が取得するのかを決める必要があります。
相続人の話し合い(遺産分割協議)で決めた内容に沿って引き出すのであれば大きな問題にはなりません。
ただ、キャッシュカードで引き出せるのは少額です。(ゆうちょ銀行などは高齢になると、1回あたり10万円が上限になっています)
やはり、銀行に亡くなったことを伝えて、きちんと正規の相続手続きを踏むことがオススメとなります。
参考:


